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【実数値ガイド】個体値が廃止された世界の能力ポイント配分|Lv50の計算式と32/32/2の根拠

PokeBattleJP編集部
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【実数値ガイド】個体値が廃止された世界の能力ポイント配分|Lv50の計算式と32/32/2の根拠

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本作で個体値は廃止された。全ポケモンの全能力が個体値31相当で固定され、孵化厳選という工程そのものが消滅している。これは「厳選が不要になって楽になった」という話に見えるが、実際に起きているのはもっと厳しい変化だ。全員が同じ土俵に立つ以上、残った変数は能力ポイント配分と性格補正の2つしかない。個体値という言い訳が使えなくなったぶん、配分の巧拙がそのまま実力差として出る。

この記事では、Lv50の実数値計算式を分解し、能力ポイントがどの刻みで実数値に変換されるのか、なぜ32/32/2という配分が定番になるのかを、すべて計算過程つきで示す。


計算式にfloorは2回入る──イダイトウで式を分解する

イダイトウ

Lv50・個体値31固定における実数値の計算式は以下の形をしている。

HP     = floor((種族値×2 + 31 + 能力ポイント×2) × 50 ÷ 100) + 50 + 10
HP以外 = floor( ( floor((種族値×2 + 31 + 能力ポイント×2) × 50 ÷ 100) + 5 ) × 性格補正 )
性格補正 = 1.1(上昇) / 1.0(無補正) / 0.9(下降)

重要なのはfloorが1回しか入っていないことだ。前作までは1回目が floor(努力値÷4)、2回目が × 50 ÷ 100(つまり÷2)の直後にあり、この2つが独立に切り捨てを起こしていた。あの「4の倍数問題」は、二重の切り捨てから機械的に生まれたものだ。

チャンピオンズでは1回目が消えている。能力ポイントは4で割られるのではなく、×2 されてから ÷2 される。掛けて割って元に戻るので、1ポイントがそのまま実数値1に乗る。この1点が、以下すべての違いを生む。

イダイトウ(HP120/こうげき112/ぼうぎょ65/とくこう80/とくぼう75/すばやさ78)の素早さで、能力ポイント32・性格上昇補正のケースを追ってみる。

  1. 種族値×2 = 78×2 = 156
  2. +31(個体値固定分) = 187
  3. 能力ポイント32×2 = 64 を加算 = 251
  4. ×50÷100 = 125.5 → floor して 125
  5. +5 = 130
  6. ×1.1 = 143.0 → floor して 143

同じ手順で能力ポイント0・無補正なら、187×0.5 = 93.5 → floor 93 → +5 = 98。HPは末尾の処理が違い、能力ポイント32なら (240+31+64)×0.5 = 167.5 → 167 に +50+10 で 227、能力ポイント0なら (271)×0.5 = 135.5 → 135 に +60 で 195 となる。

イダイトウ♂は非メガでは屈指の採用率につけているが、その素の高さは種族値の話であって、上の98と143の差は完全に振り方の話だ。同じポケモンを使っていても、この45の差は誰も埋めてくれない。


「4の倍数で振れ」は前作までの話──ガブリアスで確かめる

ガブリアス

前作まで、能力値の振り方には「努力値は4の倍数で」という鉄則があった。チャンピオンズでは、この鉄則が丸ごと不要になっている。式から導いてみる。

種族値×2 は必ず偶数、そこに固定値31が乗るので、カッコの中身は必ず奇数から始まる。ここに足されるのは 能力ポイント×2 という偶数なので、和は何を振っても奇数のままだ。奇数を2で割れば端数は常に 0.5、つまり切り捨てで消える量が最初から最後まで変わらない。結果、能力ポイントを1振るごとに実数値がちょうど1上がる。階段も踊り場も存在しない。

ガブリアス(HP108/こうげき130/ぼうぎょ95/とくこう80/とくぼう85/すばやさ102)の素早さで実際に並べる。種族値×2+31 = 235 が出発点だ。

能力ポイント 能力ポイント×2 (235+2P)×0.5 の切り捨て +5した実数値
00117(117.5→切り捨て)122
12118(118.5→切り捨て)123
24119(119.5→切り捨て)124
36120(120.5→切り捨て)125
48121(121.5→切り捨て)126
1632133(133.5→切り捨て)138
3264149(149.5→切り捨て)154

1ポイントも無駄が出ない。前作で悩みどころだった「248は損なのか」「端数の4をどこに置くか」は、問題として消滅した。振った分だけ増える、それだけだ。

消えたのは無駄だけではない。前作では個体値の偶奇によって階段の位置がずれ、同じ努力値でも個体ごとに実数値が違った。階段そのものが無くなったいま、同じ種族・同じ配分・同じ性格なら実数値は完全に一致する。調整表を1枚作れば全ポケモンにそのまま使えるし、相手の実数値も配分さえ読めれば一意に決まるということでもある。


0振り・32振り・性格補正で実数値がどう動くか──ドドゲザンで一覧化する

ドドゲザン

ドドゲザン(HP100/こうげき135/ぼうぎょ120/とくこう60/とくぼう85/すばやさ50)で、能力ポイントと性格補正の組み合わせを一覧にする。すべて上の式で計算したものだ。

能力 能力ポイント0・無補正 能力ポイント0・上昇 能力ポイント32・下降 能力ポイント32・無補正 能力ポイント32・上昇
HP(100)175――207―
こうげき(135)155170168187205
ぼうぎょ(120)140154154172189
とくぼう(85)105115123137150
すばやさ(50)707791102112

こうげきの列を見てほしい。能力ポイント32・下降補正(168)が、能力ポイント0・上昇補正(170)に負けている。内訳は、能力ポイント32で155→187と32ポイント伸びるのに対し、下降補正が187×0.9=168.3→168 と19ポイント削るためだ。一方の上昇補正は155→170.5→170で15ポイントしか足していない。

つまり能力ポイント32一発は、性格補正1段階より重い。逆に言えば、下降補正をかけた能力に能力ポイントを注ぐのは、穴を掘ってから埋める作業になる。性格を決める段階で「どの能力を捨てるか」を先に確定させるのが順序として正しい。

66と32の上限から32/32/2が導かれる

能力ポイントには2つの上限がある。1体あたりの総和が66、1つの能力への配分が32だ。ここから定番配分は機械的に出てくる。

  • 32 + 32 = 64
  • 66 − 64 = 2

余った2をどうするか。前節のとおり1振りが実数値1に直結するので、2を振れば実数値がそのまま2上がる。捨てる理由がない。ドドゲザンのぼうぎょなら、能力ポイント0の140に対し、能力ポイント2は (271+4)×0.5 = 137.5 → 137 → +5 = 142 になる。

結果、66を1ポイントも余らせずに使い切る配分が 32/32/2 だ。ドドゲザンならHP32(207)/こうげき32・上昇補正(205)/ぼうぎょ2(142)という形になる。

前作と決定的に違うのは、この配分から動かすコストが完全に線形だという点だ。素早さを1譲れば耐久が1増える。ちょうど1増える。「4の倍数に乗せ直さないと損をする」という制約が無いので、1ポイント単位で相手に合わせて削れる。32/32/2は定番であって、守るべき型ではない。


最遅が作れなくなった──ドータクンの素早さは47で止まる

ドータクン

個体値廃止には、遅さを武器にする側にとって無視できない副作用がある。素早さの個体値を0にできないため、最遅個体が存在しなくなったのだ。

ドータクン(HP67/こうげき89/ぼうぎょ116/とくこう79/とくぼう116/すばやさ33)で比較する。

  • 現行(個体値31固定・能力ポイント0・下降補正): (66+31+0)×0.5 = 48.5 → 48 → +5 = 53 → ×0.9 = 47.7 → 47
  • 従来の最遅(個体値0・能力ポイント0・下降補正): (66+0+0)×0.5 = 33 → +5 = 38 → ×0.9 = 34.2 → 34

同じポケモン、同じ性格、同じ能力ポイントで 13の差が出る。ドータクンはトリックルームもジャイロボールも覚えるが、後者への影響が大きい。ジャイロボールの威力は「25×(相手の素早さ÷自分の素早さ)」で決まり上限は150。相手が素早さ32振り・上昇補正のガブリアス(169)だとすると、

  • 自分47: 25×169÷47 = 89.8… → 威力 89
  • 自分34: 25×169÷34 = 124.2… → 威力 124

威力が3割以上落ちる計算になる。トリックルーム下の行動順そのものは、全ポケモンの素早さ下限が一律に底上げされるため相対的な順序が大きく崩れることはないとみられるが、ジャイロボールの威力は自分の素早さの絶対値で決まる。ここは純粋な弱体化だ。この副作用の全体像は個体値廃止がもたらした影響で個別に扱っている。

ドータクン自身は、ぼうぎょ・とくぼうがどちらも116という対称的な数字を持つ。HP32で142→174、ぼうぎょは能力ポイント0で136、32振りなら (232+31+64)×0.5 = 163.5 → 163 → +5 = 168、とくぼうも種族値が同じなので168。どちらに振っても同じ数字が返ってくるので、配分は相手依存で決めればよい珍しいタイプだ。


編集部の見解

テラスタルもダイマックスも使えない現行ルールは、タイプ相性が素直に通る環境だ。素の性能が高いポケモンが評価されるという傾向は現在の環境の総括でも触れたとおりだが、その「素の性能」を最終的な実数値に翻訳する工程だけは、いまだにプレイヤーの手に残っている。

個体値の廃止で消えたのは乱数との戦いであって、設計との戦いではない。むしろ全員が同じ出発点に立ったぶん、「なぜその配分なのか」を説明できるかどうかの差が露出しやすくなった。32/32/2は正解というより出発点で、そこから何を何ポイント削ってどこに移すかが、これからの厳選にあたる作業だろう。

まずは自分の主力の実数値を、上の式で一度手計算してみてほしい。ダメージ計算ツールが返す数字の意味が変わって見えるはずだ。

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